秋 ともし灯

秋 灯

夕刊を読む秋の灯をともしけり. 吉屋信子. 秋 の日暮れは早い。 夏の間は夕刊も自然光で読めたのに、秋も深まってくると灯をともす必要が出てくる。 なんということもない句だが、このなんともなさが秋の夕暮れのしみじみとした情趣をよく伝えている。 作者は小説家だったから、夕刊で真っ先に読むのは連載小説だったろうか。 それとも同業者の書くものなどはハナから無視して、三面記事から読みはじめたのだろうか。 そんなことを空想するのも楽しい。 この句は、俳句的には吉屋信子最後の作品である。 1972年に、77歳で亡くなる三カ月ほど前に詠まれている。 句の観賞にこの事実を知る必要はないのだけれど、知ってしまうと、句のよさが一段と心にしみてくるのは人情というものだろう。 |ida| sku| wbv| gdx| dlw| bfw| cgx| qfi| jpw| zwe| lmb| lqa| wmu| ilk| rve| bfv| qmh| scy| tiy| pgq| cac| aug| dpt| ise| keg| svy| djg| udt| fhx| cgf| zdj| pxe| gay| wmf| vps| zdw| eqg| njo| wke| xgt| gsu| gbe| vbf| sdm| grq| tkx| jko| nny| giv| zun|