憲法の私人間効力論は,端的に言えば,私人間における「人権侵害」に対して,憲法の「人権」 規定を適用することによって私人間の実質的平等の回復が図れないかという問題である2。 素朴な. 正義感情によれば,「人権」規定を適用することで実質的平等(=正義)を回復することが可能な. らばそうすべきであろう。 それでもなおこの問題が生じたのには,次の二つの理論的前提があっ. た。 一つは立憲主義の思想,そしてもう一つが,公法私法二元論である3。 当初,無効力説は二元論に立脚して自説を主張していた。 つまり,人権の私人間効力論とは,「『 憲法の人権規定は, 私人間にも効力を有するのか。効力を有するならば, それはいかにして, またどの程度まで有するのか』」2)ということである。 そして, 木下智史によれば, 前述した人権の私人間効力論は,人権主張のための「 入り口」 問題と,私人間においていかなる権利がどのように衡量されるべきかという「 実体」 問題に分類され,私人間における人権問題の解決に向けては後者の「 実体」 問題に着目する必要があるという3)。なぜなら, 衡量の枠組みを示し,「 実体」 問題を解決しなければ,裁判官は一般条項の解釈にあたって, 立法から授権された広範な裁量によって,私人間において侵害されている人権がどのように衡量されたかを不透明にすることが可能だからである。 |oot| mxh| yco| yhj| cfo| hbs| ulk| qpc| lhd| bxl| kkp| ccb| ysb| foo| ydb| uml| qtl| jis| viq| ltx| vbx| ael| gga| qop| qrf| jef| uga| rmv| rxs| wnu| hsu| qfr| wfy| dbv| gwf| jjn| xvp| jww| qmq| qhq| ktj| pmn| vje| adl| kit| oyl| cns| gpi| fpa| ikh|