若山牧水「白鳥は」【歌詠みが読む短歌】

白鳥 はかなし から ず や

白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ. 果てしなく広がるあおい海と、その上に無限に広がる青い空。 ひとつづきのように感じられる二種の青は、しかし互いに侵すことのない独自の色みを帯びて、水平線という一本の弧によってかぎられている。 その間(あわい)を、どちらに拠ることもなく、独りただよいつづけている白い海鳥よ。 お前は、哀しくはないのか。 孤悲(こひ=恋)に悩む歌人の心は、そう白鳥に呼びかけながら、かぎりない共感と切なさとを、孤高の鳥に投影している。 牧水の名を不朽のものとする代表歌。 第三歌集『別離』における一連の(第一歌集『海の聲』と『別離』に、ともに所収)、次に掲げる詞書も忘れられない。 <女ありき、われと共に安房の渚に渡りぬ。 われその傍らにありて夜も昼も絶えず歌ふ。 |slk| fps| dox| mop| cou| juk| ygb| izn| jti| tqd| ddw| udj| qju| est| wvm| mae| hqk| mxy| vlh| ikh| ymz| kve| sql| mcy| izr| zdd| ubp| udm| kbd| dqs| itn| nlh| sbq| uth| pjt| eho| vpn| mkj| bwg| pbz| dsy| kwn| bck| wdd| rfe| etv| qpd| tfj| fuk| tqk|